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西原商会本社ビル
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西原商会本社ビル / 鹿児島,日本

 

竣工       2020.3 

用途       オフィスビル

構造       鉄骨造7階建て

敷地面積 4,848.01㎡

延床面積 4,842.06㎡

意匠設計  スピングラス・アーキテクツ、東条設計

構造設計  竹中工務店・東条設計(監理)

照明計画  SLDA

サイン計画 イメージゲート

設備計画  東条設計・オープランニング

内部植栽  グッデイ

施工者     竹中工務店・渡辺組建設共同企業体

Photos by Yousuke Harigane

Concept1 “立地を生かす”

企業の成長や社員の健康を導くシンボルとして、

正面に望む桜島とそのエネルギーを最大限に取り込める建築を目指す。

「眺望を妨げない構造計画」

ガラス面側はΦ355.6の細い円柱のみを3.3mピッチで配置し、耐火塗料を採用。

できるだけ存在感を無くすことをめざした。

執務空間は無柱空間とし、梁も一方向のみの構造計画とした。

耐震性能向上のため各所に壁内ダンパーを設置、1,2階には意匠性の高い市松状のダンパーを採用している。

「透明性と熱環境デザインが両立したファサードデザイン」

眺望を楽しめる透明感あるガラス面の外に、日射をカットする目的からバルコニーおよびオリジナルアルミキャストを設置。

直射日光が入りにくい執務空間をめざした。降灰の多い場所なので、バルコニーはメンテナンス上も有用である。

Concept2 “食のビジネスを表現”

「味の世界をひろげる」食材卸専門商社らしい健康な佇まいを表現する建築を目指す。

「食につながる素材の選定」

着色等していない土からつくるタイルや、木を多用し、食を産む自然へのリスペクトを表現した。

「未完成感、不規則感」

内部空間は統一や完成よりも、不規則なリズムや手仕事感を残すよう心がけた。執務空間には均一感を生みやすい天井を敢えて張らず、上下しやすく社員同士のコミュニケーションを促す階段、各フロアにテーマカラーを与えて差異を際立たせた廊下などにその想いを投影している。

「変化と成長」

10万点の多彩な食材を取り扱う企業らしく、社内外に商品を発信するディスプレイ設備を豊富に設けた。展示商品が変わると空間にも新鮮な変化が生まれるだろう。企業の成長とともにこの建物も変化、成長していく。

Concept3 “働く楽しさを演出”

フロア毎に異なるテーマと空気感を与え、さまざまな部署が集まる本社らしさを表現。

西原商会らしい躍動感を可視化。

「照明計画、家具選定」

天井を張らず、2階の光る膜、3,4,5階の幾何学的ラインなどオリジナルな照明デザインを展開。とくに7階ホールの輝くメッシュは、眼下に広がる錦江湾の波のきらめきが反射したイメージ。これらの照明は透明なファサードを通して周辺環境にも広がる。執務空間のゾーンニングやそれに応じた家具選定でも、素材や色彩にフロアごとの空気感をまとわせることに努めた。

「サインシステム」

本社社屋に中心を意味する「CORE」と命名、屋内外のサインに採用。社屋名からピクトグラム、フロア表示まですべてオリジナルのグラフィックデザインを展開。ピクトグラムには食材をモチーフとし、ドア付近には食にまつわる格言を多言語で表示。細部にまで食をテーマとした。

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